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    兵庫県宍粟市千種町の豊かな自然に抱かれてのびのび育ったニワトリと有精卵

 
2009.1.8 No.200
年頭所感ではありませんが…

 昨秋の金融危機から一気に世の中のおかしさが激しくなってきたようです。しかし、市場原理主義、グローバリゼイション、規制緩和…、そんな弱肉強食のむき出しの資本主義が世界的に行くところまで行って、機能しなくなってきた現れだと思います。 
 派遣社員を物のように簡単に首を切るのは悪いですが、今リストラをしているのはみな輸出企業です。つまり今までの好景気は輸出依存型だったという象徴です。そこをもう一度考え直すべきなのではないでしょうか。
 そして、前にも書きましたように、農業再生、田舎再生のためには、工業輸出はほどほどに抑えてもらわなくてはなりません。多くを輸出しようとするから、他の物、すなわち農産物を輸入しなければならなくなるのです。WTO交渉も行き詰まっています。世界中で同じ問題が起こっているからです。もうこのむき出しの資本主義は頓挫しているのです。
 しかし、ある経営者はテレビで「雇用を復活させるには景気を復活させるべし」そう言ってました。いつまでそんなことを言っているのでしょうか。そりゃ復活させるべきですが、今までと同じ構造のままで復活させてもまた同じことのくり返しでしょう。
 今、南米諸国が米国主導の市場原理主義に対抗して熱いといいます。例えば、反米の最右翼で知られるベネズエラの大統領は「食糧農業安全主権組織法」というのを制定し、食料・農産品の国産化推奨や脱輸入依存を推進するそうです。キューバに指導を仰ぎ有機農業も取り入れるともいいます。
 『食料主権』という言葉があります。自国民の食料は自国で作り調達する権利があるというものです。非常に当たり前、かつ、非常にまっとうなものです。しかし、今、世界をリードしているWTOはそれを認めません。自由貿易を妨害する行為と見なします。狂ってしまっているとしか私には思えません。
 ですから、本来ならば、今を産みの苦しみととらえ、産業構造を、工業から農林水産業に。(環境にともよくいわれますが、二次産業を抑えて、一次産業が復活すれば自然と環境も良くなります。)本当はそう転換すべきなのだと思います。
 しかし、日本ではまだすぐにその方向には進みそうにありません。残念なことです。これだけ食の問題が起き、年末の世論調査で、第二の怖いこととして「毒入りギョーザ事件」が上がっているのにです。
 テレビ・マスコミは派遣切りは悪いと盛んに言っていますが、もっと根本的なことには言及しません。身を切られない程度に批判させガス抜きをしておく。やっぱり、財界のプロパガンダかなと思います。
 消費者の皆様には申し訳ないですが、今年も食品の問題は噴出してくると思います。それが実態なのだと思います。それを防ぐには自分で素性の分かる物を買うようにするしかありません。命を作る食べ物に対しては本当はそれくらい関心を持つべきなのだと思います。
 しかし、いずれにしても時代の転換点はそろそろ来ているように思います。あるいは転換させるのは私たち一人一人の有権者なのかもしれません。今年がその機転の年になることを願いたいです。