市議会議員 今井和夫HPへ



    兵庫県宍粟市千種町の豊かな自然に抱かれてのびのび育ったニワトリと有精卵

 
2009.5.27 No.206
新型インフルエンザの流行

 大阪に住む次女の七菜子が豚インフルエンザの感想を書いて送ってきてくれました。
 
 5月25日  今井七菜子

 他人事のように思っていた新型の豚インフルエンザですが、神戸、大阪を中心として大きな問題となりました。私も大阪の大学に通っていますが、一週間休講になり、外に遊びに行くでもなくとても暇な日々を送りました。
 街に出ると皆本当にマスク、マスクで、電車に乗っても駅員さんやいろんな店員さんも皆マスク姿です。私は最初、とても怖く感じました。見えないウイルスでどこで感染するかもわからず、街中にウイルスが漂っているように感じるのです。しかし、テレビで大きく報道されていた事態をその場で過ごして感じるのは、とても怖いですが、人々の行動や社会現象などを見てなんとなくおもしろいものでもありました。街ではテレビで報道された現象が本当に起こっているのです。
 本当に皆がマスクをつけ、薬局ではどこでも大勢がマスクを求め、うがい薬や手洗いせっけんも完売で、なぜかトイレットペーパーや洗濯洗剤までたくさん売れているとのことでした。そしてスーパーもなぜか混雑しているとテレビで聞いていましたが、行ってみると本当にそうでした。いつもたくさんの商品が並んでいるのに全体的に少なく、パンやインスタントラーメンなどは完売でした。レジにはいつもの倍以上の列ができていました。外出を控えるために買いだめに来ている人が多いからなのか、人々のとる行動は皆一緒なのだなと思いました。
 今回の感染症はまだ致死率も低く、症状も弱い場合は隔離するほどでもないと分かり始め、街の雰囲気も元に戻ってきていますが、もし今後、猛毒性でもっと感染力の強い病気が広まると、日本はパニックになるだろうと痛感しました。よく昔は伝染病で何万人もの死者が出ることがあったと聞きますが、科学や医療が進歩した今の時代でも、人間の世界ではこんなことが起こるのだなと思います。そして、私たちの生活は、簡単なことですぐに歯車がくるってしまうのだなと実感しました。
そして、今回マスクや食糧の買いだめを見て、都会の生活では供給されるものがなくなると自分で手に入れられるものはなくなり、店の中は空っぽになるのだろうと思いました。今の都会の生活は便利で豊かですが、何も生み出さないということは供給が止まるとすべてが止まります。もし将来食物自給率の低い日本への食糧輸入が止まったら、スーパーの食品が買い尽くされた時、街から食糧が本当に消えるのだろうと痛感しました。
 また都会では地域の関係が希薄なため、食料などを分け合うこともあまりされないと思いますし、関係の希薄化された社会では、生活に危機が起こったときに生き延びることは難しいと思います。先日大学の講義で、アラブ諸国のヨルダンでは、家族や地域の結びつきが非常に強いため、貧しい人でもその時お金を持っていれば、困っている人にあげると聞きました。またヨルダンでは一人暮らしをしているとその人を助けてあげようと皆が食料を持ってきてくれ、困っていると助けてくれるので、日本で一人暮らしをするよりも安心だそうです。日本ではこのような危機が起こった場合、皆が誰よりも先に自分のものを手に入れるために急ぎ、遅れた人はそれを得ることができません。金銭的には日本の方が豊かですが、自殺率は日本が世界9位なのに対しヨルダンは世界一少ない。どちらが幸せかは難しいという話を聞き、複雑な気持ちになりました。
 また今回ではマスコミが関西圏での感染拡大を大きく報道し、広く休校措置を取るなどしたため、関西を訪れる人は大幅に減ったといいます。関西ではまだ少し感染が広がっているようですが、休講がとけた大学でもマスクをつける人はほとんどおらず、街の雰囲気や生活も元に戻ってきました。今回のことで以後関西が衰退するととても残念だと思います。
 今回のインフルエンザは、新型の感染症ということでとても大きく取り上げられました。今後、このような事態が起こらないといいですが、今回の現象を見て、都市への供給が止まった時を考えるととても怖く感じました。