兵庫県宍粟市千種町の豊かな自然に抱かれてのびのび育ったニワトリと有精卵

 
2009.7.16
中学生トライやるウィーク ── 鶏さばきを体験して

 今年も毎年恒例の中学2年生の職業体験・トライやるウィークが6月1日〜5日でありました。男子3名女子2名が来てくれました。
 まずは、二人の体験感想文を読んでみて下さい。

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(Aさん)
 トライやる・ウィークの初めに、鶏やたまご、エサの事を教わりました。いまいさん家のエサや水すべてが自然の物で、エサはいろんな物が混ぜ合わせてありました。例えば、魚粉〔魚のフン〕(※粉と糞を間違えているようです。正解は粉。)や、カキガラ、オカラ、草などです。そして、その中に納豆菌を入れます。すると次の日に自然発酵してエサが熱くなっていてビックリしました。そんないまいさん家のたまごはまずはたまごの殻が固くて、黄身がふつうよりも薄いです。黄身の色が薄いのはエサなど自然の物を食べているからだそうです。
 エサやりは、すごく大変でした。小屋ごとにエサの量がちがうし、鶏の体調や気温でもちがうので毎日鶏の様子を見ながらエサをやるのがすごく大変でした。
 たまご採りは、毎日一部屋約50個程度産むので、採るのに時間がかかりました。けど、たまごもいろんなたまごがあって、黄身が2つある双子のたまごや、すごく小さなプチのたまごとかいろいろあって、たまご採りの時に「どんなたまごがあるかな?」といつもワクワクしながらしていました。産卵箱の掃除は、たまごに傷や汚れがつかないようにしっかり掃除しました。最後にもみ殻を均等にしいてやっていきました。掃除をしたらすぐに鶏が産卵箱に入ってくれたからすごくうれしかったです。鶏舎掃除は、すごくホコリが多く、網の間や天井など隅々までしっかりしました。とれたかなと思ってもホコリがまだついていてとても大変でした。全部が終わると鶏舎がすごく明るくなって鶏が喜んでいたように見えました。
 最終日に、みんなが楽しみにしていた鶏の解体がありました。始め死んでいる鶏をさばくのかと思ったら、元気に生きている鶏をさばくのでビックリしました。さばき方を教えてもらったが、いざするとなったらかわいそうで出来ませんでした。いまいさんが見本でしてくれたけど、見ているだけで本当にかわいそうでした。鶏などは、首を切って落としたとしてもだいたい30秒くらいは走り回っているそうです。首を切ったら、血が飛ぶので飛び散らないように、鶏が暴れないように、頭から鶏を入れました。少しすると、鶏がけいれんしていました。鶏が完全に死んだ後、お湯で羽の間の砂や、汚れを取り羽を素手で取りました。みんな手が震えたりして時間がかかったけどやっと終わり解体に入りました。解体では、全部を開いて骨を取り肉を取りました。私は、鶏の苦いところ(※胆のう)を生で飲みました。食べたら元気になるそうです。解体後最後までおいしく食べました。
 トライやるウィークで鶏の解体をしました。自分たちで生きた鶏を、解体したので命のありがたさを改めて感じました。それに、5日間楽しかったけどとてもしんどかったので、親が働いてくれる、感謝の気持ちも感じました。本当にありがとうございました。

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(B君)
 僕は、しんどいことから逃げない自分になるためにトライやるをしました。いまいさんはとてもきびしいと聞いていたのでとても緊張しましたが、行ってみるととてもやさしかったです。でも叱るときはしっかり叱ってくれました。そのお陰で、僕はたくさんのことを学びました。例えば今自分がしなければいけないことはきちんとすることです。当たり前のことですが、その時の僕はできていませんでした。でもトライやるをきっかけに自分が今しないといけないことをできる自分になった気がします。
 僕たちは、最初先生に何かを発見してこいといわれました。僕が発見したのは弱い自分とこれからの自分です。だから僕にとってはいまい田舎農場でのトライやるウィークは自分を大きく変えるものになりました。
 他にも草刈りではお父さんの大変さがわかり、鶏の餌やりはとても大変だったけどとてもやりがいがありました。昼休みが終わったあとは食品に関する僕の知らないことも教えていただいて食べ物の見方が少し変わりました。僕たちが働いているときに来た取材は、いろいろ聞かれたけど一生懸命働いていたので自分のやったことや思ったことを自信を持って言えました。はずかしかったけどトライやるの中でのいい思い出です。
 卵とりは、いろいろな形をしていておもしろかったです。でも卵を割りそうでとてもこわかったです。いまいさんは、僕たちが集めた卵をくれました。僕が今まで食べた卵の中で一番安心で一番美味しかったです。特に卵ごはんが一番最高でした。
 鶏舎掃除はほこりまみれになってしんどかったけどきれいになった鶏舎を見てしんどさも忘れました。鶏糞取りはとても臭かったから気分がわるくなって昼休みの弁当を食べる気がしませんでした。でもみんなでがんばったおかげできちんとやりとげましたが、もうしたくないとつくづく思いました。鶏の解体も気分が悪くなったりもしたけど、最後はいい経験ができました。バーベキューではいろいろな話をしたりしておいしく食べました。でもその楽しかったバーベキューの前にムカデにかまれたことだけが唯一僕の悪い思い出として残っています。
 とにかくいろいろあったけどとても楽しかったです。本当に毎日が僕の知らない世界でした。僕は動物の世話や田んぼ仕事には全くといっていいほど興味がなかったけど、そういう仕事もいいなと思いました。僕はこれらの経験をいかしてもっと今の自分をのばしていきたいです。今井さんには叱られることもあったけどいろいろ教えていただき今でもとても感謝しています。最後にとても短い期間でしたが本当にありがとうございました。

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 あとの三人もいいこと書いてくれてるのですが、紙面の都合で残念ですが割愛します。
 今年は近くの子が多く、子供会などで小さいときに見ていた子達が大きくなっていたのにビックリ。名前を兄ちゃんの方の名前で思わず呼んだり。
 いつもながらよく頑張ってくれました。私は人使いが荒いので、多分うちが一番しんどいのではないかと思うのですが、なぜか、今までの所は、よく来てくれます。
 今年は、最後の鶏の解体がなかなか大変なことに。一応、いろんな話をして、頑張って殺して(命をいただいて)さばこうと言っていたのですが、最初にやると言った子が、なかなかできません。羽と首を片手で持って、カッターナイフで首の血管を切るのですが、それがなかなかできません。何度も気を持ち直してやろうとするのですができず、そのうち、女の子は泣き出すし。私まで涙が出てきて・・・。
 よく、こうして命の大事さを子どもたちに知ってもらいたいと言われるのですが、トライやるのように、たとえ何日かだけでも、実際に世話をした鶏を解体するとなると、やはり、その重さもひとしおです。
 「ニュースとかで人を殺したりする人もいるけど、こんなに血もどかっと出るんだと思います。とにかく命を取ることはこわいことだって、絶対に忘れません」と別の子は書いてくれています。
 血管を切ると、暖かい血が泉のようにあふれ出し、2〜30秒すると足をバタバタとさせます。そんなところもしっかり見させます。やっぱり、かなりショックなようです。
 私は、命の大事さもそうですが、命のはかなさって言うんでしょうか、さっきまで元気でいたものが、ただ、カッターナイフでちょっと切るだけで、1分たつともう死んでしまう。もうどんなことをしても二度と生き返らない、立ち上がらない、しゃべってくれない。 そんな、紙一重のところで、命っていうのはあるんだ、自分たちは生きているんだということを、まずは分かってもらいたい。そう思います。
 きれいに羽が取れて裸になると、もう料理ですから、みんなも徐々に元気になってきます。解体する度に「うわぁー」と感動です。「こんな風になっているんや」。みんな初めてだからおどろきです。人間も基本的には同じようになっているんだと思いますが、ほんとに無駄なく精巧にきれいに収まっています。
 そして、肉にして、いよいよバーベキュー。泣いていた子もおいしいと言って食べます。それでいいんだと思います。殺すのに涙する感性も大事。そして、その鶏をおいしいと言って食べれる強さも大事。そうやって命を頂くことができるのだと思います。
 
 私なんか、月に2〜3回、40〜50羽くらいずつ解体するのですが、あらためて残酷なことをしているんですね。
 でも、その残酷なことを他人にまかせるのはもっと残酷な気がして、自分ですることにしたのです。
 でも、その残酷さを何も感じずにパクパク食べて、いらなくなったら残して・・その方が、よほど残酷なような気がします。
 所詮、肉食というのは残酷なことですね。イヤ、生きるということ自体が残酷なことなのかもしれません。『原罪』と言われるものなのでしょうか。
 私もそうなのですが、腹が出るまでタラフク食べて・・大事に食べないとダメですね。