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    兵庫県宍粟市千種町の豊かな自然に抱かれてのびのび育ったニワトリと有精卵

 
2011.6.17 「ひよこ」No.237 より
「『復興債』ってちょっとおかしいのでは??」

 東日本大震災の復興に向けて、『復興債』なるものが話題に上るようになって来ました。

 私は、どう考えてもこれが腑に落ちません。

 復興債とは、つまりは金のある人から借金して復興に当てるということでしょう。ということは、何年か後には利子を付けて返すということです。つまり、復興債を買うということは、一見復興を助けるように聞こえますが、結局は、この大震災に乗じて金を貸して資産を増やす、つまり、言い方は悪いですが、人の不幸につけ込んで金儲けをするみたいなことではないでしょうか。

 これはおかしいでしょう。『日本は一つだ、みんな家族だ』とかなんとか、テレビでは格好のいいことを言ってますが、家族というのなら、困ってるときには出すでしょう。ダルビッシュは1億円出しました。石川遼は今期の賞金をみんな出すという。もともと、もっともらっているのでしょうが、それにしても若いのに見上げたものです。『日本は一つ、みんな家族』というのはこういうことを言うのではないでしょうか。

 金持ちが出して当然と言っているのではありません。しかし、今回に関しては、少なくとも利子をもらって儲けを作ってはダメでしょう。

 今回の復興には30兆〜50兆円がかかるのではと言われます。(原発を見ているともっとかかるのではという気もします。)国家予算が80兆円くらいの中で、30兆〜50兆円の資金を捻出するのは到底無理でしょうから、増税は避けられないと思います。

 問題はその方法です。そこで簡単に言われるのが消費税ですが、今、中小企業や低所得者は本当にギリギリのところで踏ん張っています。消費税は弱者泣かせの税金で、例えば、中小企業は消費税分をなかなか価格に転嫁できず、自分でかぶらざるを得ない時が多いと聞きます。(反面、輸出大企業は還付金制度で消費税分が国から入ってきます。例えばトヨタは、一円も消費税を払っていず、逆に09年度は2100億円の還付金が入って来たということです。(『週間金曜日』5.13号)) 今、さらに消費税が上がると、中小企業等、社会的弱者は倒れるところが続出してくるのではないでしょうか。

 一方、今、日本人の金融資産総額は1400兆円とか言われます。(諸説あるようですが)

 やはり、この際、応能負担の原則に立ち返って頂くしかないのではと思います。それが「共に生きる」ということだと思います。

 所得税の最高税率も20年位前までは70%でしたが、今は40%に下がっています。これをもう少し上げてもらうとか、大企業の内部留保は、最近の10年間で世間の不況にもかかわらず100兆円増えて約250兆円あると言われています。法人税の累進率を上げてそれを出してもらうとか、証券優遇税制で今はどんなに儲けても10%しか課税されないそうですが、それを上げてもらうとか。

 ここでは長くなりますので、またの機会にさせて頂きますが、私は、震災以前から、景気対策や格差社会の是正のために、税による富の再配分機能をもっと働かせるべきだ、復活させるべきだと思っていました。「金持ちのおこぼれが国民に流れる」などと『小泉・竹中』時代に言われていましたが、現実は強者に貯まるばかりでした。それがもともとの資本主義の仕組みなのだと思います。それを是正し、共に生きる社会を築くのが人類の進歩だと思います。

 とにかく、「みんなで支援しよう」という美名のもとに、消費税でもって、今カツカツで生活している人からさらに搾り取り、金持ちにはまた利子が入る。これはしてはいけないことだと思います。

 『謙虚と感謝、小欲知足』。これこそが今の文明が忘れてきた一番大事なことなのだと思います。今回の事故で再考すべき、一番大切なことだと思います。これを思い出さないと、第2、第3の文明の『原発事故』につながっていくのではと思うのです。

 何か間違っていましたらご教授お願いいたします。