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    兵庫県宍粟市千種町の豊かな自然に抱かれてのびのび育ったニワトリと有精卵

 
2011.12.6 「ひよこ」No.244 より
「1%の1%による1%のための消費税」
 

 TPP交渉参加表明がありました。野田総理はどうでも米国にNOと言えないようです。米国に逆らえば短命政権で終わる、それがよく分かっているのでしょう。鳩山、田中角栄しかりです。小沢一郎もそれでつぶされたのでしょう。一体どこの国の総理なのか。

 韓国でも米韓FTAが、与党が議場を封鎖して野党が催涙ガスを撒いて抗議する中、強行採決されました。

 どこでも、1%の暴走が進んでいます。「1%の1%による1%のためのTPP」

 そして、今度は、消費税です。昨日も朝日新聞社説全面で「消費増税は避けられない」と言っています。

 もはや、テレビ・大新聞は完全に財界、官僚、米国、金持ちの側に立つことがハッキリとしてきました。

 あまり報じられることはありませんが、年間報酬を5000万円以上もらっている人が、最低でも5万人はいるそうです。億万長者はこの10年で3倍に。東電社長の年俸は7000万円、前社長は震災渦中の5月に5億円の退職金をもらってやめたのは記憶に新しいところです。

 一方で、庶民の給与は下がり続けました。全ての国民を所得順に並べた時の真ん中の人の所得は、10年前は約300万円、今は250万円だそうです。そして、その半分を貧困線というそうで、今は年収125万円。今、それ以下の人が2040万人いるそうです。

 日本には1400兆円の個人金融資産があるそうですが、その多くはこの億万長者たちが持っているのです。

 (1400兆円を単純に1億二千万人で割ると一人当たり1166万円。4人家族だと4666万円。これが平均です。別世界と言う人がはるかに多いのでは?? )

 なぜそうなったのでしょう。

  1988年 2010年
法人税 18.4兆円 6.0兆円
所得税 18.0兆円 12.7兆円
相続税 1.8兆円 1.3兆円
消費税 0円 9.6兆円
その他 12.6兆円 7.8兆円
合計 50.8兆円 37.4兆円
実質GDP 402兆円 540兆円

 上表から見ると、この22年間で、GDPは140兆円も増えているのに、税金は13兆円減っています。
 なぜでしょう???

  1988年 2010年
大企業の法人税率 40.2% 30%
高額所得者の所得税率 70% 40%
相続税の最高税率 75% 55%
消費税率 0% 5%

 それは、上表のように、大企業、高額所得者、相続税の税率が大きく減ったからです。つまり、GDPの増加で増えたはずの所得はみんな大企業と高額所得者に吸収されていったようです。

 1988年まで日本は『1億総中流』と言われ、ほとんどの人は自分は中流という意識を持てました。それくらい、ほどほどの暮らしができていたのです。それは、税の再配分機能によって、GDPの利潤が高額所得者、大企業に片寄らず、庶民に回っていたからなんです。

 それがこの約20年間の税制改革、「高額所得者・大企業の税金を減らして庶民から消費税を取る」方式に変わって、庶民にGDPの利潤が回ってこなくなり、だから景気が低迷してきました。そして、その対策として国内では売れないから輸出しかない。だからTPPだ!! となるわけです。

 でも本当は違うはず。大企業・高額所得者に片寄ったGDPの利潤をもう一度庶民に回せば、景気は回復するはずです。金持ちにいくら金を持たせても、それは、貯蓄・投資に回るだけで、景気回復には役に立ちません。どんなに金持ちでも家は2、3軒あればいいでしょう。車は100台もいらないでしょう。

 消費税を上げても、税収がそれに比例して増えるかと言えば、消費がさらに落ちて思うように増えません。逆に立場の弱い中小企業は消費税分を価格に転嫁できず自分でかぶらざるを得ない。地獄です。逆に、輸出大企業は、輸出額に消費税率を掛けたものが国から還付金として入ってくる。だからトヨタは今まで、還付金の方が大きいから、消費税を払ったことがないといいます。

 こんなことは、大新聞、テレビでは、一切報道されません。そう、マスコミ関係者はみんな高額所得者だからです。テレビは大企業がスポンサーだからです。

 庶民は、大企業・高額所得者に都合のいい情報ばかりを毎日聞かされ、「仕方がないのか・・・」と思い込まされる。これが、今やテレビの役目だと言っても言いすぎではない時代になってきたように思います。

 要するに消費税も 「1%の1%による1%のための消費税」だったのかもしれません。

 つまり、税制を1988年までのものに戻すだけで、税収は上がり、国の借金もどんどんと減っていく。それが真実なのだと思います。

 「そんなことをすれば、金持ち、大企業は、みんな外国に逃げていく」なんていう人がいるかもしれませんが、そんな人にこそ、『愛国心』教育をしてあげて下さい。

 これだけ格差が大きくなっているのに、消費税がアップすれば、さらに格差が大きくなることは間違いありません。

 人間の能力には差がありますから、収入に差があるのは当然です。しかし、それも限度があります。あまりにも収入に差があると、持てる人も持たざる人もどちらも心が乱れてくるのではないでしょうか。そして社会も乱れてきます。

 小泉竹中改革を進めた竹中平蔵氏は高額所得者から税を多く取ることを「泥棒だ」と言いました。(そして、金持ちがさらに金持ちになるとそのおこぼれが社会に流れるとも)

 税による再配分を否定するならば、世の中、強者はますます強者に、弱者はますます弱者になっていきます。その「強者の強欲」、これをバランスを取りながらいかに抑えていくか、これが人類の究極の課題であり、これこそが人類の進歩なのだと思います。

 働かずに補償だけを受け取ろうとする者がいる、それも大きな問題です。しかし、働いても働いても豊かにならない人もたくさんいます。これはやっぱり、世の中の仕組みがおかしいのだと思います。

 確率的に当たるはずのない「宝くじ」に夢を託す、当たらなかったら「自分には運がないんだ」と我慢してしまう。・・・そうじゃないんだと思います。

 宝くじは庶民の不満のはけ口として使われているだけで、その光景を見てほくそ笑んでいる者達が少なからずいるのです。

 大きな富を手にする者も、その富は自分一人で作ったのではないはず。その富は無数の人達の汗と努力の結晶なのです。それを思い、「感謝」を持つならば、持てる者が税を負担するのは、何も「泥棒」ではありません。それこそが「日本は一つ」共に生きる、強くて優しい国を作る道だと私は確信します。

 『小欲知足』『謙虚と感謝』だと思います。