兵庫県宍粟市千種町の豊かな自然に抱かれてのびのび育ったニワトリと有精卵

 
2010.10-11
TPPにからんで思うこと

 菅政権がこの秋、にわかに言い出したTPP。
 それにちなんで、思うことや、いくつか文章を載せさせていただきます。

 まず、私の通信に書いたものから

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 (10月22日)

 先日、あるマスコミ関係者から今話題の「TPP」についてどう思うかを聞かれました。
 「環太平洋連携協定」…加盟国は関税を完全に撤廃するというもの。日本は参加するかどうかを来年に返事すると言ってます。
 最近、テレビのニュースもまともな論調がないので本当に見るのがしんどいのですが、テレビ・大手新聞では、「参加しないと乗り遅れる」とさかんにアピールしています。反対の意見は全く聞かれません。反対しているのは農業関係者だと。

 いつも書いているのでまた同じようなことになってしまうのですが、その方にも、一つだけとても気になることがある、と言いました。
 それは、「関税がなくなると農家が困る、農家がつぶれる」という言い方をマスコミはするが、それは、国民どうしを対立させる、あるいは、問題の本質をまちがわせる言い方なのでやめて欲しいと。
 もちろん、農家は困るのですが、問題は農家だけのことではないはず。根本的に考えて欲しいのは、自分たち国民の食べるものをどこで作るのか、外国に依存していいのかどうかという一点だと思います。

 今、補助金をもらってでも助けて欲しいのは、農家だけではないでしょう。中小零細の会社はみんなそうなんじゃないでしょうか。そんな中で、この言い方をすると、どうして農家だけに補助金を渡すのだ、となってしまいます。甘えていると。
 確かに農業以外でもきびしいところは一杯ある。しかし、それはそれで、別の原因があるからそうなっているのだと思います。それを究明せずに、農家だけ補助金を回すなと言うのは、お互いの首の絞め合いになってしまいます。

 こういう、対立させる言い方をするのではなくて、「国民の食料はどうしますか?」という問い方にしてもらいたいと言いました。
 その上で、国民が、輸出企業を延ばすために、食料は外国依存でもいいではないかと判断するならば、それはそれでいいでしょう。仕方がありません。国民の判断です。

 その結果、農家はつぶれます。田舎から若者は消え、ますます荒れていきます。熊、猪、鹿、猿、…いろんな動物が闊歩していくでしょう。
 食料を握られるので、アメリカや中国にもますます物が言えなくなって来るでしょう。「いろんな国から輸入して危険を分散しておけば大丈夫」と言われるかも知れませんが、その分、いろんな国に物が言えなくなっていきます。
 何より、輸出国が不作になったとき、どうして自国民の食料より日本への輸出を優先してくれるでしょう。必ず輸出制限がかかってきます。そして、食の安全性は輸出国のいいなりです。

 それでもいい。今、自動車が輸出できる方がいい。あるいは、今、食料が安くなる方がいい。
 一昨日もテレビでたけしが牛丼が50円くらいで食べられるようになるんじゃないか。と言ってました。
 食料の外国依存の問題点もしっかり明示した上で、それでもいいと国民が判断するならば、それはもう仕方がありません。だから、問題をそういう視点ではっきりと出してもらいたいと。

 いや、食料はやはり自国で作るべきだ。というのならば、TPPと食糧自給の両立は可能なのか、まず、その検討をしてもらいたい。
 その対策として簡単に言われるのが、「農家の規模拡大による競争力の強化」ですが、そんなことできるのか、どんな方法でそれを進めるのか、まず、その方法をしっかりと出して欲しい、議論して欲しいと思います。テレビも新聞も具体的な方法については全く触れません。
 まず、(1)TPPと食料自給の両立は可能なのか、それはどのような方法なのか (2)もし、両立ができないのならば、どちらを優先すべきなのか。
 (ア)TPPを優先すればどうなるのか。(イ)食糧自給を優先すればどうなるのか。 
 そのような議論の仕方、報道の仕方をしてもらいたい。
 現状の報道は、まずTPPへの参加ありきで、農業対策は具体的には出てきません。それは,あたかも方策がないので触れたくないかのごとくです。
 「農業対策」と言わず、「国民の食料対策」と言ってもらいたい。

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 次に、上文をそのマスコミ関係の方に送って帰って来た返信の抜粋です。

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今井さま

 この問題に関しては、なぜ締結が必要か、締結したとして想定される影響などについて冷静な分析や情報がないですよね。なのでまともな議論が進まず、混乱だけが広がっているなと思います。マスコミがその役割を果たすべきなのでしょうが、できていないですよね。

 産業界が言うように、日本からの輸出品が他国に比べて関税が高ければ明らかに日本の輸出品の競争力は落ちるでしょう。
 ただでさえ歴史的な円高。加えて国内の需要は人口減と経済の低迷で冷え込むばかりで浮上する気配なし。国内市場に魅力は少ない。そんななかあえて国内に工場を持って製造するメリットはないでしょう。
 日本からの輸出品に高い関税がかけられれば、ますます製造工場は海外にシフトして国内の雇用状況は悪化するでしょう。
 となると、税収もますます減少してしまう。。。それは農業にとってもマイナス。。

 一方、引き替えに輸入農産物の関税が撤廃されれば農業への打撃も目に見えていますよね。
 それは今井さんがお感じになる通りだと思います。

 自由貿易の議論が「産業か農業どちらを選ぶのか」「産業vs農業」という構図になってしまってはいけないと思います。お互い一蓮托生。つながった問題だと思います。
 日本には兼業農家が多い。中山間地はほとんどが兼業農家ですよね。兼業農家も別に収入が得られる仕事があるから存在できている。国内の雇用状況の悪化はそんな兼業農家にとっても深刻な問題だと思います。

 TPPは本当に必要か。農産物の関税を守りながらEPAやFTAでは無理か。TPPを締結しないと本当に日本の産業は衰退の一途をたどるのか。
 しっかりした説明が必要だと思います。
 その上で、農業に打撃があるのは明らか、ではどう支援するのか、その対策を提示するべき。長期的な視野に立って日本の農業の競争力をどう高めるのか。そのための支援策は。
 また今井さんがおっしゃるように日本の国防の意味も含めて日本の食糧を安定的にどう確保していくのか、などTPPをきっかけに建設的な議論が進まないものか・・・と思います。

 日本の農林水産業、特に中山間地地域をはじめとした農村の維持も含め、補助金は欠かせません。水源、水路、あぜなどの管理には膨大なコストがかかります。獣害対策も必要です。
 それには財源が必要。その財源は農業で稼いだ税源も必要ですが、やはり産業でかせがないと先細りしてしまうでしょう。
 産業も農業もつながっているのに、お互いのことを配慮した議論ではなく、お互いが非難しあっているだけで議論が進まない状態になってしまってますよね。

 個人的には日本の農業はやり方次第でもっと国際競争力のある産業になると思うんですけどね。
 もっと攻めの農業者が出てくればおもしろいのにな、と勝手に思っております。
 例えば日本の農産物は産地間競争に目が向いていますが、対海外で考えれば、「オールジャパン」で闘うべきでしょう。
 例えばタマネギを海外に売り込むとして今だと各行政単位で動いています。兵庫県から上海に行ってフェアをする、佐賀も北海道もそれぞれが売り込みに行く。そうではなく「日本玉葱出荷組合」なんかをつくって産地が一丸となって戦略的に「日本産玉葱」のブランド力をPRし、輸出品に育て上げる。そうすればロットも確保できるし、産地リレーで1年中途切れなく安定的に出荷できる。
 どの産品でもそうすれば、少なくとも今よりは競争力がつくのではないか。
 政治への発言力も強まると思います。
 う〜ん。そんなにうまくはいかないかもしれませんがね。。。

 そもそも、食糧自給率を上げるというのはどうなんだろうとも思ったりします。
 ただでさえ狭い国土。そんななかで、あれもこれも作ればそりゃ手間もコストもかかるのは当然。競争力を付けるためには規模拡大は必須。となると品目を搾らないとできないでしょう。となるとどうしても生産量が少なくなる品目が出てくる。ではそれは足りない分は輸入しましょう。
 そんな考え方もアリだと思ったりもします。
 「輸入に頼れば、輸出してもらえなくなればどうする」や「世界的に人口増が進む中、将来的に食糧危機がくる」や「天候異変で食糧ができなければどうする」といったこともよく言われます。
 それは農業の問題だけでなく、外交しっかりしろよという問題でもありますし、食糧の備蓄問題でもあります。
 う〜ん。その辺りは考え始めるときりがないですね。
 あんまりすべて国産で賄わないと、というのも行き過ぎですし、かといって農業衰退しても構わないというのも行き過ぎ。そこはバランス感覚が大事で程度問題だなと。

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それに対しての私の返信 11月22日

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 お忙しい中、長文の返信、ありがとうございました。まとまりませんが、いくつか気づく点を書いてみますと。

・ 産業界の言い分に関して
 輸出に頼るしかない今の日本の社会構造がそもそも問題なのでは?
 根本原因の一つはそこではないかと思います。
 一部の富裕層を作ってそのおこぼれが国を豊かにしていくという1990年頃からの新自由主義の発想、その典型が小泉・竹中。その結果、中間層がどんどんと減って、少数の富裕層と多数の貧困層に別れてしまった。
 輸出・輸出と言っても、結局産業全体の10%くらいの利益でしかないとどこかで聞いたことがあります。結局、国内需要が復活しないと産業の本当の意味での復活はないのでは。
 そのためには、国による、税による所得の再配分機能をもう一度再生させるしかないのではと思います。消費税はその真逆です。

 TPPで産業界が何をねらっているのか。
 海外に工場移転をしたが、部品は相変わらず日本から取らなければならない、そこには関税がかかる。それを関税ゼロにして安く入れて作りたい。それが本音ではと新聞で読んだことがあります。もう、産業界は国内で工場を作ろうという気はもともとほとんどないのでは?
 
・ 輸出農産品をねらう???
 これで救われる農地は国内の僅かでしょう。よほど味に差がない限り、高い人件費、輸送費、どう考えても、輸出は難しいです。外国の一部の富裕層が趣味的に買う程度ではないですか。
 農業というのは人の命、健康を握る大切なものです。それを、遺伝子組み換えなどの「技術」で安く生産されるものに置き換わる、投機の対象で資産家に左右される、「毒菜」かもしれない不安がずっとある・・・そんなものにしてしまってはいけないのではと私は思います。

 貴方の考えは、結局は、自給率が高くならなくてもいい。日本でも国際競争に勝つ農産品だけでいいのではというように聞こえますが、貴方自身の命、健康を、そのように外国に預けてしまっていいと、どうして思えるのでしょうか。
 でも、そう思うのは、どうやら、貴方だけではないようです。日本の多くの人がそのような感覚を持っておられるようです。
 本当にそれでいいのでしょうか。嗜好品は輸入でいいです。しかし、基幹的な農作物、米、小麦、大豆、野菜、畜産品、魚介類 などは、やはり、国内で生産できていることが国としての根本的な基礎条件だと思います。欧米人はその考えが当たり前のようですが、どうして日本ではそうならないのでしょう?
 ブラジルの鶏肉は1kg100円で日本に入ってきます。どうして地球の裏からくるのにそんなに安いのですか? 私は正直そんな肉は食べたくない。(ブラジルの生産者を悪く言うのではないですが) でも、「安いからいいやん、おいしいし」と言う方も一杯います。すでに外食の鶏肉は多くは輸入物です。

 「農業の再生には、競争力を高める、規模拡大しかない」 
 そう考える限り、日本の農業の再生はないと私は思います。命と健康の糧と考えるか、一産業として考えるか そういうところではないでしょうか。
 こういう感覚は、農にたずさわるものにしか持てない感覚かもしれません。だから、私は行くところまで行くしか、そして、辛酸をなめる状態を経験するしか、道はないのかな と思ったりもします。もちろんそうなれば農業者の生活も破壊されますが。


 韓国は自由貿易に踏み切った、その代わり手厚い農業予算を組んだと言われますが、別では「韓国は農業を捨てた」とも言われていますし、また、韓国内でそれに反対する声も根強く、だから米韓のFTAも締結はされてますが、国会批准はできないままです。(12.月5日現在)
 一部の巨大輸出企業の論理、それで恩恵を受けている者の論理に、世界のすべての人々の生活が巻き込まれ、飲み込まれ、破壊されようとしているのではないでしょうか。マスコミは今やその論理の宣伝者になってしまっているのではと思います。守るべきは、普通の人々の暮らし・健康・命だと思います。(トヨタやパナソニックがスポンサーの番組でTPPはダメだと言うはずがないですね)

 関税をなくして、自動車を売り込めば、その国の自動車産業はつぶれます。そうやって、相手国の産業をつぶすことに国を挙げて、政治家が手先となって血眼になっています。(日本の技術を盗もうと相手国の方が一枚上かも知れませんが・・)

 欲望をほどほどに抑え、ほどほどに生きていく。みんなが共に生きる それはやっぱり理想でしかないでしょうか。

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 この私の返信は、はしょって書いていますので、ちょっとわかりにくいかもしれません。

 基本的に、私は規模拡大を言う限り、日本農業の再生はないものと思います。ほんの一部のものしか生き残れないでしょう。
 日本の地形、また、雨が多く草が多い気候条件では規模拡大は無理です。

 例えば、私の住む兵庫県千種町。人口4000人を切ったと思われる町ですが、田んぼの総面積は約418ha、それが、6830枚に区切られているのです。つまり、一枚当たり6.1a。(本当はもっと分かれているそうです) この一枚一枚に、平均1〜5mの高さの畦がぐるりについてきます。
 これで規模拡大して、例えば、ヨーロッパ並の一戸あたり20haになるとすれば、一軒の農家で327枚の田んぼになります。
 どうやって、管理できるでしょうか。
 基本的に、毎朝水を見て回らなければなりません。少なかったら水口を開く。畦のどこかにモグラが穴を空けている場合もあるので、畦も見て回ります。開けた水口は何時間かあとには止めに来なければなりません。
 膨大な水路の数です。大雨が降ればつまります。
 畦の草刈りに一枚当たり2時間から半日くらいかかります。3時間として一通り刈るのに981時間。半日草刈りをしたとして、245日。でも、50日で草はまた伸びてしまいます。
 鹿・イノシシ対策の柵も一枚一枚していかなければなりません。
 もちろん、千種町は規模拡大の為の圃場整備は済ませています。それでこの枚数です。
 このような中山間地が日本の農地の2/3をしめると言われています。(千種町よりは平地でもう少し田んぼの大きな所も多いでしょうが。)畑ならば、一枚当たり1aです。どうやって規模拡大ができるでしょうか。(ちなみに千種町は一戸あたりの平均所有面積は約0.3〜0.4haです。)

 先日の『週間金曜日 11月26日号(P.17) 』に大野和興というジャーナリストが下のことを書いていました。(抜粋です)
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 農業問題について一つだけ指摘しておこう。
 「日本の開国のためには”強い農業”を」という合唱がメディアにあふれている。”強い”とはどういうことを指すのかについては一切説明がないが、どうやら高品質の農産物を輸出して儲けろということのようである。
 外国の金持ちに日本のおいしく見栄えの良い農産物を食べてもらい、日本の大衆市場は海外農産物に明け渡し、代わりに自動車を売るという戦略なのであろう。
 一戸あたり年間何千万円も稼ぐ農業は確かに存在している。夕張メロン、栃木のイチゴ、川上村(長野県)のレタス、などなどだ。
 これらブランド産地を支えているのは多くの場合中国人研修生である。研修生は労働者でないから、一人前の労賃を払う必要はない。パスポートを預かると称して取り上げ、働けるだけ働かす。
 こんな収奪の上に成り立つブランド農産物を”強い農業”と言って持ち上げ、自由化戦略の中核にすえる。
 その見返りは田畑や里山の崩壊と農村経済の解体による地域の衰退であろう。
 まっとうな社会や経済を作ろうとする政策意図はここからは見えてこない。   
 (抜粋ここまで)
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 とにかく、マスコミが喧伝する巨大企業の論理のウソを解き明かすこと。

 例えば、思いつくままにさわりだけ書けば・・・

○ 「今、TPPに参加しなければ日本は乗り遅れる」── 巨大輸出企業だけの話ではないのか。

○ 「日本の景気回復のためには輸出を伸ばすしかない」── 日本の貿易の2/3は大企業上位30社がらみのもの。これら大企業が今までで最大の利益を上げた平成の好景気の時、人々の暮らしは良くなったのか。・・・ 逆に悪くなった。

○ 「農業が日本の足を引っ張っている」── 『農業対工業』の対立にしてはいけない。『国民の食料をどうする?』という視点で考えなくては何が問題なのかが見えなくなってしまう。(本当は工業が、農業の、日本の安全な食の足を引っ張っているのではないか)

○ 「大規模化すれば日本の農業は強くなる」── 今までずっと言われてきたが、現実はなっていない。できないことをさもできるかのように言い、それをしない者が悪いかのような言い方。本当はできないことは分かって言っているのでは?  つまり・・

○ 「工業と農業の両立を目指す」── (あり得ない話だが)どちらも強くなって輸出力がつけば、日本の貿易は一方的な黒字になり、そうなれば、為替レートが上がって、どちらも輸出がしにくくなる。つまり、本音は農産物は輸入品でおいておきたいのでは???

 他、書き出せば切りがないですが、結局、農業・漁業のような命と健康を支えるものは、自由貿易の対象としてはいけないということではないでしょうか。『食料主権』とよく言われることです。

 例えば、前述のマスコミの方が言われるように、日本がまとまって玉ねぎを外国に売っていったとします。もし、それが成功したとしたら、それは、すなわち、その国の玉ねぎ産業を圧迫することになるわけです。玉ねぎだけですめばまだいいですが、それが食料の多くに及んできたならば、それは、その国の人々の命をつなぐ食料の現地生産をつぶしていくわけです。

 根本的に、そんなことが許されるということが、まちがっているのではないでしょうか。「相手国の食料を将来にわたって保証する」、それくらいの覚悟がなければやってはいけないことですし、そんなとんでもない無責任なことが言えるはずがありません。「今年はできなかったからゴメン」ですむ話ではないのです。

 しかし、食料輸出をたくらむ国々はそんなこと、全く思っていないようです。
 アメリカは、メキシコのトウモロコシ農家を輸入自由化で壊滅させました。(生きていけなくなった農民がアメリカに不法入国するのを防ぐために軍隊を国境沿いに置いたとも言われています)そして、今、バイオ燃料の方に使う方が儲かると言って、メキシコにトウモロコシを売らなくなってしまいました。メキシコでは食料の高騰・暴動が起こりました。

 食料を輸出するということはそういうことです。「儲かるならば日本も食料を輸出しよう」なんて簡単に考えてはいけないことなのだと思います。

 長々と書いてしまいましたが、私も分からないことばかりですが、できれば、みなさんでこのようなことも色々と勉強し、情報交換して、国のまちがった進み方をなんとか少しでも修正できないかと、夢のようなことを思ったりします。

 今こそ、農業者は声を上げるべき時なのではないでしょうか。ともすれば、都市生活者と敵対視される位置だが、その分断工作の正体を暴き、農業者と都市生活者が手を結ばなければならないのではないか。
 農の現場から、「食」について、何も知らない、何も知らされてない都市生活者に、もっと発信していかなければならないのではないか。
 それが農村を守る、もちろん、ひいては国民を守る、私達の暮らしを守る、唯一の道なのではないか。

 誤解を招くかも知れないが、あえて言うと、「業務用スーパーで安く売ってる。米も安いよ。十分おいしいし。」こんなことを言う普通の方は、ほんとにたくさんおられる。田舎でも、たくさんおられる。業務用スーバーの安いものはほとんど外国産だ。
 これがまさしく日本農業の危機、田舎の危機なのではないだろうか。

 ある方が講演で言われたそうです。「フランスでは学校教育で実際に牛の乳を搾り、チーズ作りを体験する。だから、その大変さ、大切さをよく分かっている。牛の乳があたたかいことを子供達はみんな知っている。日本の子供達は、牛の乳は冷たいと思っている。食育とはこういうことではないだろうか。」と。
 大きな違いですね。日本では義務教育で株で儲ける方法を教えようとしている。(フランスでやっているのかどうかは知りませんが。株も大事な働きをしている面ももちろんあるでしょうが)

 やっぱり、行くとこまで行くしかないか、なんて思ってしまうのですが、・・・

 でも、もう少しあきらめずに考えると、、、

 そうは言っても今の時代、逆に、消費者は直売所などで農家(生産者)から直接買っている時が、かなりあるのではないか。つまり、農家が直接消費者と接する機会が結構あるのではないか。 
 それこそが、農の現状,食の大切さを伝える最大のチャンスではないか。そのチャンスをもっともっと多くの農民がいかすべきではないのか。一人ではできなくても、多くの農民が手を組めばできるのではないか。

 ともすれば、今まで農民は互いに競争することをあおられ、手を結ぶということを忘れさせられていたのではないか。特産品競争・産地間競争・・(それも大事ですが)。いくら競争しても、全員が一番には決してなれない。一番でないと生きていけない世の中こそがおかしいのではないか。

 農民も都市生活者も、互いを感謝して、共にほどほどに暮らしていける。そんな社会は作れないものか。。。

 とにかく、情報発信が大切なのでは。マスコミの発する大企業の論理からみんなが救われるために。そのためには、農民・生産者が手を結ばなければ・・・

 そんなことを思うのですが、どうでしょう。皆さんのご意見がぜひとも聞きたいです。